
デジタル一眼レフカメラの Canon EOS 7D を購入してから、写真関連の本を読んだりして色々と勉強をしています。
関連記事:今更だけど EOS 7D 買っちゃいました♪
写真は理屈で撮る訳じゃないとは思うけど、ある一定の理屈は知っておいた方が良いとも思います。
そんな中で、最近露出がなんとなく分かってきた(気になってます)。
今までは闇雲にシャッター速度や絞り値などの EXIF 情報を見たりしてたけど、露出をなんとなく理解するようになってから、「なるほどなぁ」という場面が増えてきた。
未だに失敗は多いけど、少しずつイメージ通りに写真が撮れるようになってきて、ちょっと嬉しい♪
っで、露出。
今になって思うのは、露出を理解する上では「一段(いちだん)」という概念を体系的に理解する事が露出を理解する初めの一歩のような気がします。
そもそも「露出」ってなぁに?
露出とはカメラに取り込む光の量です。裸になることではありません。それは犯罪です。(知ってるし)
一昔前のカメラではフィルムに、デジタルカメラであれば映像素子(センサー)に、レンズを通して取り込んだ光を当てて、写真(画像)にします。
この仕組みは100年前から変わりません。ずーっと一緒。
写真撮影をする場合、露出を決めて(もしくはカメラが勝手に露出設定して)撮影する訳ですが、言葉をかえて言えば、カメラに取り込む光の量を決めて撮影をしているということです。
露出(カメラに取り込む光の量)は、シャッター速度、絞り、ISO 感度の3つの組み合わせによって調整をします。
端的に言えば、「露出」とはシャッター速度、絞り、ISO 感度の組み合わせの事。
この露出の3要素をどう組み合わせるのか?によって、出来上がりの写真表現が大きく変化するので、露出(取り込む光の量=3要素の組み合わせ)をどうするか?は写真表現にとってとても重要な事柄のひとつです。
ちなみに、写真表現とか大げさな書き方をしてますけど、私にそんな芸術的才能はございません。
私は、ちょっと格好良く撮りたい、とかちょっと雰囲気よく撮りたい、とかそんなレベルですけど、それでも露出は重要だし、なにより露出の仕組みを理解すれば写真がより楽しくなるので、覚えておいて損はないと思いますよ。
参考:露出 – Wikipedia
参考:露出 (写真) – Wikipedia
っで「一段」ってなんぞや?
よく、シャッター速度を 1/125 から一段上げて 1/250 にしてみた、とか、APS-C に比べてフルサイズは 二段程度の高感度耐性があるとか、良く「段」という表現が出てきます。
露出を理解するためには、この「段」の意味を理解する必要があって、そしてこの「段」の意味を理解するためには丸暗記が一番だと思います。掛け算をするのに九九の丸暗記が必要なように、露出(段)を理解するためには丸暗記・・。
なんか面倒くさいけどしょうがない。
とりあえず、以下の表をご覧ください。
TV 値 (Time Value) | シャッター速度 | ||
---|---|---|---|
基準値 | +1/3段 | +2/3段 | |
TV0 | 1″ | (0.8″) | (0.6″) |
TV1 | 0.5″ | (0.4″) | (0.3″) |
TV2 | 1/4 | (1/5) | (1/6) |
TV3 | 1/8 | (1/10) | (1/13) |
TV4 | 1/15 | (1/20) | (1/25) |
TV5 | 1/30 | (1/40) | (1/50) |
TV6 | 1/60 | (1/80) | (1/100) |
TV7 | 1/125 | (1/160) | (1/200) |
TV8 | 1/250 | (1/320) | (1/400) |
TV9 | 1/500 | (1/640) | (1/800) |
TV10 | 1/1000 | (1/1250) | (1/1600) |
TV11 | 1/2000 | (1/2500) | (1/3200) |
TV12 | 1/4000 | (1/5000 | 1/6400) |
TV13 | 1/8000 | – | – |
上記の表がカメラに設定出来るシャッター速度の一覧です。この中で暗記するのは、左から2列目のシャッター速度の基準値。一番上から一番下まで順番に丸暗記。
上から、1″(1秒)から始まって 1/8000 秒まであります。
シャッター速度はひとつ下の行にさがると(TV値が+1になると)シャッター速度は2倍になっていることがわかります。
1/125 の下は、1/250 だし、1/1000 の下は 1/2000 などなど。
っで、この一行下のシャッター速度に変えることを「一段速くする」と言い、一行上のシャッター速度に変える事を「一段遅くする」と言います。なので、1/60 から一段分速くすると 1/125 になるし、三段分速くすれば 1/500 になります。
まずは、自分の良く使うシャッター速度(私は 1/125)を基準に、その上下に順番に覚えていけば覚えやすいかも。
絞り値や ISO 感度の「段」は?
露出は、シャッター速度と絞り値と ISO 感度の組み合わせで決まりますから、絞り値や ISO 感度にも「段」という概念があります。
まずは、絞り値。
AV 値 (Aperture Value) | 絞り値 | ||
---|---|---|---|
基準値 | +1/3段 | +2/3段 | |
AV0 | f/1.0 | (f/1.1) | (f/1.2) |
AV1 | f/1.4 | (f/1.6) | (f/1.8) |
AV2 | f/2.0 | (f/2.2) | (f/2.5) |
AV3 | f/2.8 | (f/3.2) | (f/3.5) |
AV4 | f/4.0 | (f/4.5) | (f/5) |
AV5 | f/5.6 | (f/6.3) | (f/7.1) |
AV6 | f/8.0 | (f/9.0) | (f/10.0) |
AV7 | f/11.0 | (f/13.0) | (f/14.0) |
AV8 | f/16.0 | (f/18.0) | (f/20.0) |
AV9 | f/22.0 | (f/25.0) | (f/29.0) |
AV10 | f/32.0 |
こちらもとりあえず丸暗記するのは、左から2列目の基準値。一番上から一番下まで丸暗記。
シャッター速度と同様に一行下の値に変える(AV値が+1になる)事を「一段絞る」と言い、一行上の値に変える(AV値が−1になる)事を「一段開ける」と言います。
絞り値(f値)はシャッター速度と違って、上下どちらかに一段分動いた場合、その値は2倍もしくは半分ではないので覚えにくいです。
シャッター速度と同様に f/4 とか f/5.6 あたりを基準に上下にちょっとづつ覚えていけば、暗記しやすいと思います。
次に ISO 感度。
SV 値 (Sensitivity Value) | ISO 感度 | ||
---|---|---|---|
基準値 | +1/3段 | +2/3段 | |
SV0 | 100 | (125) | (160) |
SV1 | 200 | (250) | (320) |
SV2 | 400 | (500) | (640) |
SV3 | 800 | (1000) | (1250) |
SV4 | 1600 | (2000) | (2500) |
SV5 | 3200 | (4000) | (5000) |
SV6 | 6400 | – | – |
こちらもこれまで同様、一行上へ行けば「一段感度を下げる」と言い、一段下に行けば「一段感度を上げる」と言います。
ISO 感度は一段感度が上がる毎に数値は2倍になっていきますので、覚えやすいですね。
一段変わると何が変わるのか?
シャッター速度、絞り値、ISO 感度で「一段速くする」とか「一段絞る」とか「一段感度を上げる」など、若干表現が違いますが、それぞれの一段はどれも同じ一段分の変化をします。
どう言う事かというと、シャッター速度だろうが絞りだろうが ISO 感度であろうが、値が一段変化すると、カメラに取り込む光の量が 1/2 または 2倍になります。
どれの一段も、半分(1/2)もしくは2倍です。
シャッター速度を1段上げる(速くする)と、カメラに取り込む光の量は半分(1/2)になり、一段遅くすれば光の量は2倍になります。
絞りを1段絞れば(f/値を大きくする)と、カメラに取り込む光の量は半分(1/2)になり、一段開ける(f/値を小さくする)と光の量は2倍になります。
ISO 感度を一段低く(数値を小さくする)すれば、感度は半分(1/2)になり、一段高く(数値を大きくする)すると感度は2倍になります。
感度が2倍ということは光の量が半分(1/2)になっても同じ明るさで写るということです。
ちなみに、二段分の光の変化量は4倍(=2倍×2倍)もしくは1/4(=1/2×1/2)。
三段分の光の変化量は8倍(=2倍×2倍×2倍)もしくは1/8(=1/2×1/2×1/2)。
四段分の・・・五段分の・・・は以下同様。
なので例えば、
<ケース1>
シャッター速度 1/125
絞り f/4
ISO 感度 800
で適正な露出だった場合、
<ケース2>
シャッター速度 1/60(一段遅く:光の量は2倍)
f/5.6(一段絞る:光の量は半分(1/2))
ISO 感度 800
でも適正な露出になります。(ケース1と全く同じ明るさになります。)
なぜならば、<ケース2>では<ケース1>に対して、シャッター速度を「一段」変化させて光の量を2倍に増やしているけど、絞りを「一段」絞って光の量を半分にしているため、それぞれの効果による光の増減が相殺されて、結果として光の量は変化しない(ケース1と同じ露出)ということになります。
いずれにしても、シャッター速度だろうが、絞りだろうが、ISO 感度だろうが、一段の変化(カメラに取り込む光の量の変化)は同じです。
私はこれを知った時、なんとなく露出を理解するきっかけみたいなものを感じました。なるほどね、と。
光の量が2倍とか半分とかややこしい
シャッター速度は、シャッターが開いている時間を調整して、光の量を変化させます。なのでシャッター速度が速い(シャッターが開いている時間が短い)ほど、光の量は減少します。
絞りは、光が通る穴の大きさを調整して、光の量を変化させます。なので絞りを絞れば絞るほど(穴の大きさを小さくすればするほど)、光の量は減少していきます。
これがシャッター。
光の量は、真ん中が開いている時間の長さ(シャッター速度)と真ん中が開いたときの穴を大さ(絞り)で、カメラに取り込まれる光の量が決まります。
ISO 感度だけはちょっと違う。
ISO 感度はカメラに取り込む光の量を調整するのではなくて、文字通りカメラに取り込まれた光に対する感度を表します。
感度が高くなれば(ISO 値が大きくなれば)なるほど、同じ量の光でもより明るく写ります。
なので、光の量が1/2でも感度が2倍でれば、同じ明るさになる。
このように考えれば、シャッター速度や絞りをどう変化させると、光の量が増えるのかそれとも減るのかするのか?ということは感覚的に理解しやすいのではないでしょうか。
絞り値の注意点
シャッター速度は単純な分数なのでわかりやすい。シャッター速度を速くすれば分母が大きくなる。1/125(秒) よりも 1/500(秒)、1/1000(秒) よりも 1/2000(秒) の方がシャッター速度が速いので、光の量が減少していくのは感覚的にもわかりやすい。
ただ、絞りについては、穴の大きさが大きくなる(絞りを開く)と、絞り値(f/値)は小さくなります。
なので、f/8 よりも f/4 の方が穴の大きさが大きくて、光の量は増加するということです。
絞り値(f/値)のみは、感覚的に逆になってるのでややこしい。
だけど初めは混乱するけどすぐに慣れると思います。
まとめ
シャッター速度でも絞りでも ISO 感度でも、一段分の変化量(光の量)は同じ。
なので、
シャッター速度を一段分速くした場合(光の量を1/2にした場合)、絞りを一段分開く(光の量2倍)か、 ISO 感度を一段分高く(感度2倍)すれば同じ露出(明るさ)になります。
シャッター速度を三段分は速くした場合(光の量を1/8にした場合)、ISO 感度はそのままで、絞りを三段開いても良いし(光の量8倍)、ISO 感度を一段上げて(感度2倍)、なおかつ絞りを二段開けば(光の量4倍)同じ露出となります。
だったら、ISO 200 の時、
シャッター速度 1/125
絞り値 f/4
でも
シャッター速度 1/250(一段速くする:光の量は1/2)
絞り値 f/2.8(一段開く:光の量は2倍)
でも、同じ露出(明るさ)になるなら、どちらで撮影しても同じ写真が撮れるの??という疑問がわきますが、そのあたりの話はまた今度。
結論から言えば同じ写真にはなりません。露出(明るさ)だけは同じになります。
何はともあれ、シャッター速度、絞り、ISO 感度の一覧表を暗記しちゃってください。とっかかりは面倒くさいけど、露出を理解するとカメラライフがますます楽しくなりますよ♪
でわでわ。